動きのblog

主にリハビリテーションやケアで「人の動き」について書いています。

「らしさ」にこだわらない

ケアの現場では

 
「その人らしいケアを
 
目標にしています」
 
という言葉をよく耳にします
 
 
 
その人らしい生活を
 
その人らしい趣味を
 
その人らしい暮らしを
 
 
 
それは一見とても良い事のように
 
思えるが
 
大切な視点は別にあります
 
 
 
それは人は変わるということ。
 
 
 
その人らしさとは
 
何か??
 
 
それは、
 
過去の行動パターンにしか過ぎません。
 
 
 
優しいと思える人は
 
過去に優しい行いをしたから
 
もしくは行いを見たから
 
この人は優しいと思う。
 
 
 
そういう人が
 
急に理不尽に怒ると
 
何だか人が変わったように思える。
 
その人らしくないと思えてしまう。
 
 
逆もまた然りで、
 
いっつも怒ってる人が
 
ニヤニヤしてたら
 
なんだか気持ち悪いもんです。
 
 
 
らしさというのは、
 
ある種のラベリングに過ぎません。
 
あなたはこのような人ですよ
 
とラベルを貼られているようなものです。
 
 
 
その人を取り囲む人々は
 
振る舞いや、過去の履歴を
 
知りながら想像する
 
そういう人だとイメージを作りあげる
 
時に無意識に
 
時に意識的に
 
 
 
そして今度は
 
本人にそのらしさを押しつけます。
 
これが好きでしょ?
 
こうすれば喜ぶでしょ?
 
こんな遊びは好きではないよね?
 
 
 
ラベルを貼られた人は
 
無意識的に
 
周りのその期待に答えようとして
 
そのような振る舞いを取りがちだ。
 
 
 
一度キャラが確立されてしまうと
 
全く違うキャラにはなりにくいのです。
 
そして、当たり前のように
 
周りもそのキャラとして接してきます。
 
当たり前のように。
 
その期待を裏切るのは
 
なかなか難しい。
 
 
 
普段おとなしい人は
 
人目を気にして急にはしゃげないものです。
 
 
 
そして、やっかいな事に
 
その振る舞いが
 
今度は自分で自分に
 
ラベリングしてしまう。
 
 
自分の「自分らしい行動」が、
 
自分をラベリングする。
 
今度は、よりラベルの中で動き
 
そしてまたラベルする。
 
 
 
自分のらしさ行動ばかり
 
続けてると
 
自分がその枠から抜けれなくなる。
 
 
 
もちろん
 
らしさというのが
 
悪者というわけではありません。
 
 
 
その人が変わらない場合
 
らしさを大切に
 
もてなしをされれば
 
俺の事よくわかってるなぁと思って喜ぶ。
 
 
 
しかしケアが必要な人は
 
昔と違い大きく状況が変化
 
している人が多い。
 
 
 
身体か動きにくくなった
 
頭が周りにくくなった
 
性格も変わっていく  
 
孫が出来き
 
大切な人が亡くなり 
 
状況は変わっていく
 
 
 
それなのに、
 
らしさに
 
こだわるととても苦しい
 
 
 
今ここの自分と
 
過去自分は違うのですから。
 
 
 
昔の状況では
 
そのように振る舞うことが好きだけど
 
今はもっと違う振る舞いがしたい
 
こういう気持ちだってある。
 
 
そのらしさが
 
本当に気に入っていたとは限りません。
 
 
仮に
 
昔編み物が好きだからといって
 
それは
 
母親の役割として好きだったかもしれないし
 
1人で綺麗に作りあげる事が好きだったのかもしれない
 
 
 
それなのに
 
手先がしっかり動かない
 
頭がはっきりしない状態で
 
孤独な状態で
 
あなたは編み物が好きでしょ
 
 
 
と押し付けられるのはつらい。
 
もちろん、人それぞれだから
 
それでも喜ぶ人はいます。
 
 
 
もう一度言うが、
 
らしさ
 
は悪いことではありません。
 
良くも悪くも過去の行動パターンと
 
ということです。
 
 
 
参考には出来るが
 
こだわりすぎると押し付けになる。
 
便利にも使えます。
 
 
 
本質は
 
らしさ
 
ではない
 
 
 
本質は
 
今のその人
 
なんです。
 
 
らしさにこだわるよりも
 
その人が今喜んでいるかどうか
 
笑って過ごすことができているかどうか
 
 
 
もちろん
 
らしさを参考にして
 
今、その人が喜べば
 
それは、それでいい
 
 
ただ
 
らしさにこだわることで
 
今のそのひとの負荷になってれば
 
本末転倒です。
 
 
 
本質は今の人なのだから。
 
今を生きてる、
 
今この人だから。
 
 
 
らしくあろうが、
 
なかろうが笑って今を過ごせればいい。
 
 
 
そして、
 
らしさにこだわらないことで、
 
らしくない新しい自分も
 
発見できる。
 
 
 
こんな一面もあったのか
 
こんな事も喜ぶのか。
 
もしかしたら、想像もできなかった
 
カッコイイ一面も
 
かわいー一面も
 
あるかもしれない。
 
 
 
そのような発見こそ、
 
変化のある状況の中で
 
より豊かに生きる糧になると思います。
 
 
 
多くの人は
 
自分のことを
 
よく知ってると思ってる。
 
しかし、自分でも
 
知らない
 
素敵な自分が隠れているかもしれない
 
 
 
自分でもそうなのだから
 
他人の事は、もっとよくわからない
 
 
 
他人を
 
らしさでわかったつもりに
 
なるのではなく
 
新しいその人を
 
新しい可能性を
 
発見していこう。
 
 
 
もちろん、新しい自分自身にも。
 
あなたも自分らしさに
 
こだわる必要はないのだから。
 
 
 
らしさの枠を越えていこう。
 
そこには、きっと
 
あなたの知らない
 
素敵な自分がいる。